ツバサのない天使
*1

家庭

「おいで」

今日もあの男があたしを呼ぶ。


―気持ち悪い。



自分の娘にこんなこと求めるなんて間違ってると思う。

首筋にかかる激しい息。
あたしは終わりを願う。

舌があたしの体を這いずり回る。



拒否権は皆無。

あたしは
この人の―父親の…




―玩具だ。


< 1 / 7 >

この作品をシェア

pagetop