紅き天
「あ、そうそう、最近静乃に男が…。」


「何!?」



男、と聞いた瞬間、疾風は宗治の言葉を遮って叫んだ。



「お前、最後まで聞けよ…。
静乃に男が付きまとってるんだよ。」


「あの馬鹿…。」



どう考えても静乃に非はない。



疾風には「静乃」と「男」の組み合わせが気に入らないのだろう。



「困ってるぞ。
あいつ、もともと男が嫌いだしな。」


「…出かけて来る。」



宗治は笑って送り出した。



体のダルさはどこへいったやら。







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