平凡な恋の話 No.2
第 3 章  長い1日

 ―7月22日 午前11時 音楽室―

 『オイッ!!
 
  そこの低音のハーモニー、違うぞっ』

 超へっぽこブラスに今までないほどの

 先生の怒鳴り声が音楽室に響く・・・

 トランペットの行動のおかげで

 へっぽこブラスもよぉ~やく本気モード

 夏休みに入り、暑い日がつづくなか
 
 残り時間は2週間しかないけど、

 全力で課題曲も自由曲も練習中・・・

 ♪~

 テンポのいい‘マーチ’

 トランペットとトロンボーンの

 ファンファーレから始まり、

 ホルンの得意な・・・イヤ違う

 ・・・よくある!裏うちにつながる

 瑠璃もがんばって少しやりずらそうだけど

 堂本先輩の隣でホルンを吹いてる・・・

 私もあまり吹けないけどがんばってるよ

 瑠璃に負けないためにねっ!!

 『コラッ、春音!!

  チューニングがあってないぞ!!』

 『は、はいっ』

 あぁ、今日は3回目だ・・・
 
 ・・・怒られるたびに思うけど

 なんでこんなに色々言う人が

 今まで本気でコンクールに

 挑まなかったんだろう・・・

 やっぱり‘人’って不思議だよねぇ

 『・・・チューニング、高いと思うぜ?』

 左隣にいる海我先輩が

 ボソっと教えてくれた

 『あ、ありがとうございます』

 ・・・・・・ありがたいけど

 なんか海我先輩に言われるのだけは

 変な気分になるからイヤだなぁ・・・

 まぁ・・・

 そんなことはどうでもいいとして・・・

 『ハイッ、休憩及び昼食ねぇー

  午後からは先生がいないから個人練ねぇ』

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