雨の道、晴れの道。
十寝坊十
まだ幼いアタシ。
「待って!」

「ごめん、ごめんね」

「いや! 置いて行かないで!」

「ごめんなさい…」

バタン……。

「ヒック…ヒックう…うわああああああああ!!」

泣きじゃくるアタシ。

カチャ……。

途端、泣くのをやめる。

「誰?」

「……」

「父さん?」

「……」

「あのね、母さんが……グスッ」

アタシは父さんの腕にしがみついた。

それと同時に、アタシの手が叩かれた。

バシッ……!!

「と…うさん?」
「触るな。汚らわしい」

「そんな……」

「お前など、生まれてこなければ良かったのだ」

「いやああああああああ!!」















「愛李ちゃ~ん、起きなさい?」

「はぁ~い」

アタシは寝たまま
軽く伸びをした。
白い壁。

ピンク色のカーテン。

なんだ。

夢かぁ。

アタシはホッと安堵のため息をつく。

「……汗、凄いな」

まだ5月なのに、アタシは寝汗をビッショリとかいていた。

シャワーでも浴びよう。

とその時、アタシのお気に入りのピンク色のケータイが、机の上で震えた。

慣れた手つきで、通話ボタンを押す。

「しもしも? 雛森ですケド……」

「しもしもじゃなくてもしもしでしょ! それと、雛森なのは知ってるよ!」

「その声は…誰だっけ?」

「……優奈だよ」
優奈が、ため息をついた。

「知ってる~で、何かよう?」

アタシはケータイを耳に当てながら、クローゼットを開ける。

「ハア…何かようってあんたねぇ……昨日の夜、遊ぶ約束したの覚えてる?」

アタシは、ケータイを持っていない方の手の人さし指を頭に当てて、考える。

「あ~遊ぶ約束した?」

「当たり!! で、何時に駅集合っていった?」

「14時!」

「当たり。で、今何時だと思う?」
何時って……
アタシは壁時計を見る。

「あ」
< 3 / 4 >

この作品をシェア

pagetop