平安恋物語
先日、体の弱い母様の変わりに幼いころから私の世話をしてくれていた乳母上様が亡くなった。
乳母上様は最後まで私のことを心配してくれた。
乳母上様が逝ってしまってから、私は悲しくて悲しくて、毎日泣き暮れていた。
乳母上様が亡くなってから、毎晩決まってある夢を見る。
暗闇の中、自分自身のことは見えるのだが、行く手はなにも見えない。
後ろからは見えないなにかが私を追いかけてくる。
それは影のようで、私を闇に引きずりこもうと迫ってくる。