真夜中の太陽

永輝は、かんなさんを追いかけようと前に踏み出した足をピタリと止め、ゆっくりと振り返った。



「柚羽、これだけは信じてほしい。オレが本当にそばにいたいのは、かんなじゃない。柚羽だから」



永輝は言いたいことだけ言うと、あたしの答えも聞かずに、かんなさんの後を追った。



あたしたちはこれからどうなるんだろう。

先の見えない未来。


あたしは、言ってしまったらもう二度と会えないんじゃないかという言葉を永輝に言ってしまった。

でも、永輝はきちんと、あたしのそばにいたいと言ってくれた。



……だけど…。

かんなさんのことがある限り、あたしたちの関係は変わらない。

逆に、悪化していくかもしれないし、突然、終わりを迎えるかもしれない。


あたしに出来ることは、ただ、時が流れるのを待つだけ―――。

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