真夜中の太陽
「……っ……」
こんなこと、信じられない……。
夕刊をグチャグチャに丸め、あたしはゴミ箱に叩きつけるようにして捨てた。
きっと、永輝じゃない。
同姓同名なんだよ。
あんな紙切れ一枚で永輝の死を知らされても、納得いかない。
永輝は……生きてる。
峠での事故も、永輝じゃない。
きっと今頃、永輝は峠での事故を知って驚いてるんだ。
『オレと同じ名前……』
『いや、オレ、ちゃんと生きてるから』
そう言って、困惑したように静かに笑っているんだ。
きっと…きっと……。