真夜中の太陽
『………かんなさん……』
そこには、あたしが予想もしていなかった人が立っていた。
永輝じゃないかと思っていたあたしはガッカリする間もなくて。
相手がかんなさんだっただけに、一気に心臓が恐怖の鼓動を始めた。
『ごめんなさいね。こんな朝早く』
これまでのあたしは、攻撃的な言い方をするかんなさんしか知らなくて。
遠慮がちに、苦笑するかんなさんを見るのは初めてだったから躊躇してしまった。
『……あ、どうぞ…』
だから、あたしはかんなさんを部屋に入れた。
もしもかんなさんが、キレて攻撃的だったら、あたしは部屋になんか通さなかっただろう。
かんなさんが座るのを見届けると、あたしはコーヒーを入れた。
カップに二つ、コーヒーを注ぐ。