時計塔の鬼
“鬼”とは。
平安絵巻や地獄絵図等で見かける“あれら”のことなのか。
それとも、異形の者たち全てを指すのだろうか。
自分達とは違うものを“異形”と呼ぶのならば……。
確かに、とストンと納得してしまう。
シュウは美しい。
美しすぎる。
きっと、それは彼が異形のものである証なのだろう。
ある者にとっては角。
また他のある者にとっては牙。
それがシュウにとっては“美しさ”。
つまり、あの美貌なのだろう。