時計塔の鬼

alone in the room.



目が覚めた。








まだ頭に霞みがかった状態で、辺りを見渡す。



見慣れた天井。

見慣れた勉強机。

見慣れたベッド。



そして、わかったこと。



今私は自分の部屋で、ベッドに寝ている。






……なぜ?


私は……




靄に支配されていた頭が、少しずつ動き出す。




私は、自分の家にいる。


確か、私は学校で気を失ったはずなのに。




でも、それはいつだった……?





フッと、頭の中で線が繋がったように、思い出す。






ああ、そうだ。


体育のマラソンの時間だった。



マラソンをし出した途端に目の前が白くなったんだ。


そして暗くなってしまったんだった。



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