にゃんことわんこ
「藤が……宇宙人でも好き?」
「宇宙人!?」
思わず食いついてしまう。
初めて興味を持ってくれたのが嬉しいのか、翔ちゃんは目をキラキラさせて話し始めた。
「藤はさ、16才の誕生日に星に帰んなきゃならねえんだよ。
迎えが来てさ」
「えー。じゃああと1年しかないよ」
「そうそう。だから辛いだろ?
早く忘れた方がいいんだって」
ポンッと肩に置かれた手がやけに重たく感じた。
藤くんが……帰っちゃう。
星に帰っちゃ……、
ガタンッ
私は勢いよく立ち上がり鞄を持って駆け出した。
いきなり立ち上がった私に手を乗せていた翔ちゃんは驚いて少し仰け反って後ろの机に腕をついていた。