キミノタメノアイノウタ
そうして言うべき言葉が見つからないでいると、タツさんがため息をついて玄関の戸を開けた。
その表情は逆光でよく見えなかった。
「あいつ…泣いてたんだぜ?“私のせいだ”って…」
タツさんは最後にそう言い残すと、車に乗り込んでいった。
ほどなくしてその車体が遠ざかって見えなくなる。
俺はピシャリと閉められた戸の前に立っているしかなかった。
息を吸って吐いて。
……また吸った。
次に息を吐き出すときには一緒に身体の力も抜けていた。