キミノタメノアイノウタ

「俺達は遊びで音楽やってるつもりはねーんだよ、古河さん家の灯吾くん」

バカにしたように名前を呼ばれる。

俺が親の庇護の元でぬくぬくと暮らしていることを分かっている上で、わざとそういう言い方をしているのだ。

「余計な首突っ込まずに家に帰りな、クソガキ」

思わず頭にカっと血が上る。

俺は男に向かって噛み付くように言い返した。

「なんであんたにそんなこと言われなきゃなんねーんだよ!!」

「俺は面白がって俺達みたいな奴を心の中じゃけなしてる人間が嫌いなんだよ」

「そんなことしてない…!!」

「どうだか?」

(この野郎……!!)

グッと拳を握り締める。

殴りかかりたい気持ちを必死になって堪える。

怒ったら負けなような気がした。

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