キミノタメノアイノウタ

肩を落とすハルにかけられるのはユキの思いやりの詰まった言葉だった。

「来年の春は一緒にやろうな」

ハルの頭にユキの手がのせられる。

よしよしと宥めるように撫でられているとハルがくすぐったそうに体を揺らす。

目の前で繰り広げられている光景が、クリスマス時期でいちゃついているカップルを連想させた。

「おふたりさーん!!。そういうことは外でやってくださ~い!!」

こうして釘を刺すのも忘れない。

ユキは特に気分を害した様子もなくさらっと言った。

「ははは。ごめんよ~」

「おい、曲決まったなら練習しようぜ」

これまで沈黙を守っていた侑隆がおもむろに言い出す。

「さ~て…いっちょやりますか~」

ハルが椅子の上で大きく背筋を伸ばす。

漠然とだけど。

…俺はこんな生活がずっと続いていくもんだって思ってた。

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