清皇学院記

 まさに幸せの時間だった。

蓮とくだらないことで話し合って

お互いに笑っていた。


 玲華は予鈴が鳴ると、教室に

戻ると蓮に伝えた。

「おう、いってらっしゃい」

「たまには出てみたら?」

「今度な」


 玲華はクスッと笑って屋上のドアを閉めた。


 山あり谷ありの、この人生で

そんな幸せの時間がそんなに続くとは

誰もが願うが、誰も叶わない。

玲華の人生も叶わないだろうに、

玲華は軽い足取りで教室へ帰っていった。


第1節 完
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