魔女の瞳Ⅵ
次の瞬間、修内太の周囲を取り囲むように幾つもの魔方陣が発動した。

地面に、頭上に、中空に。

その魔方陣の中から召喚されたのは、黒い手。

実体のない、黒い影のような手。

その手が次々と修内太の体を掴む。

「しゅ、修内太!逃げて!逃げてぇぇえぇっ!!」

私は叫ぶ。

声を限りに叫ぶ。

しかし『狂化』した修内太でさえ、その手は振り解けない。

どんどん修内太が、黒に塗り潰されていく。

私の知っている修内太の姿が消えていく。

取り込まれていく。

無くなっていく。

消失していく。

『人間』ではなくなっていく。

『宮川修内太』ではなくなっていく…!

「メグ、諦めなさい」

お母様が告げる。

「今日から『彼』が、貴女の伴侶よ…」

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