【短編集】communication
「私、基が好きだよ。いつも不安なの。基は、モテるじゃない。私がいないから、女の子から告白とかされるんじゃないかって。いつ私に飽きちゃうんだろうって。怖いの。毎日、基に会いたいけどね。毎日、会えなくなっちゃう時が悲しいから、嘘付いたの。ヤキモチ妬いたりするのうざいのかなって思ったり。」


私は、全部吐き出した。


「嬉しい。俺のが不安だし。俺だけって思ってた。」


「違うよ。」


私は、顔を上げて基を見た。


「俺は、澄子しか見てないよ。どんな澄子でも好きだよ。だから、ずっと俺といような。」


自然とキスをした。


久しぶりのキス。


そして、抱きしめてくれた。


お互いの鼓動と吐息が聞こえる。


鼓動は、普段とは考えられないほど早くなっていた。
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