抱けないあの娘〜春〜



約束の時間5分前に、さつきの家に到着。



「さ、咲哉様、身だしなみをチェックなさって下さいませ。」


と、田村が手鏡を僕に渡す。


流石じいちゃんの運転手だっただけあって、緊張感丸出しの僕を気づかってか、緊迫した空気を和ませ…


「ありがとう、田村。僕、変じゃないかな?」



「咲哉様はいつでも聡明でございますよ。自信持って!さぁ、お嬢様がお待ちですよ。」



「よっしゃ、気合い入れて行くか!!」





緊張しながらも、勇気を出してドアホンを押す…



ピンポーン♪




< 65 / 208 >

この作品をシェア

pagetop