‡パルソナ‡ 孤高の唄姫


でも、あたしに話があるって何だろう?


ていうか、なんでどいつもこいつもあたしの名前知ってんだよ。


「それは私にも分かりません。

ノエル王子とレイ王子にもお話がある、と国王が仰ってました。」


「僕たちにもですか?」

「はい。」

レイはしばらく考え込んで、決心したかのように立ち上がった。


「解りました。

あっ、でも茜菜様は…」


とレイは心配そうにあたしを見た。



どうやらまだ熱のことで心配してるらしい。


「あっ、あたしは大丈夫!!もう熱も治ったみたいだし、あたしも行くよ。」


そう言うと、レイは安心したのか少し顔が綻む。

それにつられて、あたしも顔を綻ばせる。


「そういう事で…

行きますよ、ノエル。」


レイが振り返ると、そこには窓からそーっと脱出しようとしているノエルの姿。




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