‡パルソナ‡ 孤高の唄姫



…何か悪いこと言いましたかね?


レイはノエルが試着室に入ったのを見届けた後


一人、ノエルが何故呆れた顔をしたのか考えこむのであった。




しばらくしてノエルが着替え終わり、試着室から出てきた。


「とってもお似合いですよ。」


レイは試着室から出てきたノエルの正装をまじまじと見た後、微笑みながらノエルを褒めた。



「お前が言うと、褒め言葉に聞こえねぇよ。」


ノエルは無愛想な顔で素っ気なく言うと、レイはやれやれと言う感じで肩をすくめた。


「つれないですね。あなたが笑った所は最近見た事ないですよ。

カルシウムが足らないんじゃないですか?」



「ほっとけ。それよりお前……いつの間に着替えたんだ?」



ノエルは怪訝そうな顔でレイの姿を見る。


そこにはいつの間にか正装に着替えたレイが立っていた。


「だって、この部屋には僕とノエルしかいないんですから、一々交代して試着室に行かなくてもいいでしょう。」


レイはそう淡々と言うと、レイは掛けていた眼鏡をそっとはずし、机に置いた。




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