【完】キス、kiss…キス!
「まぁまぁ姫ちゃん、今日は俺が奢るから全部忘れて伊久美も呼んで飲も!」


そんなどん底の私に、幸四郎が神様のような一言を投下する。


「うん!行く行くっ!」


ゲンキンな私はその一言に顔を上げて、腕をにょきんと伸ばして背筋をしゃんとする。


って私、お酒には気をつけようって決めたばっかりじゃん!……まっいいや!今日は一人じゃないから大丈夫だよね?


幸四郎の彼女で、こちらも大学の同期の伊久美とも会えるし、私は楽しみでうずうずしてしまう。


大学の同期で皆仲が良くて、前は秋斗も含め4人で飲んだっけな。

って、思い出してへこんでどうする。あいつはもう、過去の男!


「よぉーっし!仕事頑張ろっ!お酒の為に!」


「はは、姫ちゃん、飲んだくれー。やらかしたくせに」


やっぱりストレートな幸四郎の言葉は聞き流し、私はパソコンに向かって作業を始めた。


一件の、新着メールにも気付かずに……。
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