【完】キス、kiss…キス!
ぽーっとしてしまっている間にナオちゃんに抱き抱えられる。所謂、女性の憧れの『お姫様抱っこ』で、だ。


「やっ……!待ってよ!私お風呂入ってな……!」


「どうせ汚れるんだから、また一緒に入ろ!ね?」


可愛い笑顔とは裏腹に、言ってることは生々しくて、ナオちゃんからは幼いながら『男』が漂う。


ドサッとベッドに下ろされれば、ナオちゃんの真っ直ぐな視線が注がれる。


これまでの『子犬ちゃん』だった彼は何処へやら。この子は、子犬の皮を被った『狼』だ。


「姫さん、余計なこと考えてる余裕なんかあるんだ、へぇ」


「えっ!?やっちが!んっ」


『狼』に変貌したナオちゃんは私の唇を、食べてしまうように塞いでしまう。
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