【完】キス、kiss…キス!
凄く心地いい体温に包まれてるのが覚醒しきってない意識の中でも分かって、ふわりと目を覚ました。


「うぅん、私、どうやって家に帰ったのかな……」


やけ酒のせいで重たい頭をガシガシと掻いて、体をごろりと反転させる。


「…………いっ!?いやぁぁぁっ!!」


びっくりする程に考えたけど、考えても考えても何がなんだか分からなくて、ただただ絶叫してしまった。


……だって私の横には、ベビーフェイスの男の子が気持ちよさそうに寝てたから。


茶色のふわふわした、ダックスフントみたいな毛並みの髪で、同じ色の眉は形に沿って綺麗に整えられていて、睫はまつエクかって突っ込みたくなるくらいJカール。


小ぶりながら高い鼻は愛らしくちょこんと顔の真ん中に存在していて、ピンクのみずみずしい唇が、ふにゃふにゃと動いている。


芸能人なんか比じゃないと思うような、超絶可愛いイケメン。


「うわ……年下だ」


口に付いたのは、その綺麗な顔よりも恐ろしいくらいに若々しい彼への感想だった。
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