【完】キス、kiss…キス!
もし私がナオちゃんの立場だったら、やっぱり、10歳も年上の私なんかより、早苗ちゃんに行くと思うんだ。


可愛いし、若いし、二人、美男美女で誰が見てもお似合いだもん。


「あの、私……先に行って場所、とっとくね?」


私はナオちゃんと早苗ちゃんの姿を見てられなくなっちゃって、その場を逃げるようにしてプラネタリウムの入口まで走る。


バカ、最低。逃げることないのに。でも、もうモヤモヤは膨張を止めない。


「ひ、姫さん、ちょっと待っ……!」


後ろからナオちゃんが呼ぶ声が聞こえたけど構わない。だって、自信無いんだもん。


早苗ちゃんより魅力的な自信も、ナオちゃんに私だけを見てもらう自信も、到底持ち合わせてないんだもん。
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