【完】キス、kiss…キス!



結局悩みは解決しないまま日々は過ぎ、相変わらず喧嘩もなく、姫さんとラブラブの毎日を送る。


「姫さんはい、あーん?」


「あ、あーん。……おいひぃ、けど、んぐっ……あーんとかあざといから!萌だから!」


萌えは良いんだけど、あざといはやっぱりあんまり嬉しくないなぁ。


「ねーねー、どこがあざといのぉ?傷つくなぁ」


むーっと唇を尖らせて姫さんを見上げるように見ると、綺麗な顔がへにゃっと苦笑に崩れて、そして、俺の尖った唇を指で摘まむ。


「その見上げるアングルとか、この口とか喋り方だよっ!もー、可愛いなぁ」


そんなこと言って照れてはにかみ、ピンクになった頬を掌で覆って隠す姫さんの方が、何百万倍も可愛いです。


俺のがあざといとしたら、姫さんのは天然モノ。天然の方がよっぽど質悪いじゃん。
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