はんぶんお月様〜僕と小さい君の7日間〜
まゆが帰ってきた。

会話もなく、たんたんと彼女は夕食を作ってる。
できあがったチャーハンを、机に置いてから、
まゆがベットに入った僕に声をかけた。

「・・・・・これ食べたら、ちょっと話ある。」

「・・・・・・・」

むっくり起きあがって、
机の上にある湯気が出てるチャーハンを
もくもくと食べた。



まゆは一言も話さない。



僕が食べる終わるのを、じっと見つめながら待っていた。



背筋に冷たいものが降りるのを感じた。







「・・・・私は、サトシが歌ってるのが好き。
でも、今のサトシはちっとも好きじゃない。分かるよね。」

「・・・・・・」

「今のままじゃ、多分、お互いダメになるよ。」

「・・・・・・」

「私、会社の人から、プロポーズされたの。結婚してくれないかって。」

「!」



まゆだけは、何故か最後まで僕の味方でいてくれると、そう思ってた。


甘えだ。







「わかった。出てくよ。」






まゆが泣いている。


僕は、カバンに荷物を詰め込んで、まゆの背中を見ながら、
玄関のドアを閉めた。









僕は最低なやつだ。







まゆをいつも泣かせてたんだな。






ごめん。まゆ。













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