ミュージック・ラブ2〜夜空の下のスノードロップ〜
『ったく、アイツどこ行ったんだ。わざわざ生徒手帳届けてやろうとしてるのに…見つからないな』

シュンは雨の降る中ユキネを探し歩いた。

『生徒手帳の住所によれば…ここがアイツの家か…アイツんち居酒屋なんだな』

シュンはユキネの家に辿り着き、居酒屋の中に入った。

しかし、店の中は真っ暗で人は誰もいなかった。

『すみませーん』

シュンは大声で言った。

『ゴホッ、ゴホッ…ハ、ハイ…どちら様ですか?』

そう言って一人の身体が弱った中年女性が出て来た。

『お客さん、すみません。しばらく店は休みなんですよ』

中年女性はシュンを見て言った。

『えっ!?いや、客じゃありません。ここユキネさんの家ですよね?』

『ユキネは私の娘ですが、娘に何か?』

『たまたま彼女の生徒手帳を拾ったんで、届けに来たんです』

シュンはユキネの母親に生徒手帳を渡した。
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