ミュージック・ラブ2〜夜空の下のスノードロップ〜
『て、いうか…お前も何か言い返せよ。言われ放題じゃねぇかよ』

ユキネは隣を歩くハナに言った。

『…うん』

ハナは元気なくうつむいた。

『あたし…あたしね…女子高でイジメにあってるんだ…さっきの子とかもよくイジメてくるんだ』

ハナは急に立ち止まって話し出した。

ユキネも立ち止まったハナに気付き、立ち止まった。

『いつもトロいとか、バカとかって言われて、靴は隠されるし…教科書に落書きされたり…でもね、でもあたしはそれでも高校は辞めないの』

『どうして?』

ユキネはハナの顔をじっと見て尋ねた。

『今の高校凄く学費が高くって、うちの両親が頑張ってあたしを高校に通わせてくれてるから…。それにイジメられてるから高校辞めたいなんて、両親に心配かけたくないから絶対言えないし…』

ハナは元気なく言った。

『ふ〜ん』

ユキネは相変わらず素っ気ない態度だった。

< 56 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop