ピアスホールと君の傷

問題児

あたしは学校に着いた。
「野村ー、遅刻はよくないぞ。」
着いてそうそう生活指導の高橋。
「すいませんでしたー。」
気のない返事をしてあたしは教室に入ろうとしたら、高橋にとめられた。
「野村、お前校則はちゃんと守れ!髪また明るくなってるぞ。化粧も濃いし、お前ピアスも開けただろ。スカートも短すぎだぞ!」
たりー。
「あー、授業に遅れるんで教室行きまーす。」
そう言っていそいそと教室に入った。
「あー、結衣っ!昨日学校こんかったべー。」
この子は沢村綾香。
あたしの親友。
「綾香ごめん。だってめちゃたるかったし。」
「もー!まあいいけど。てか、さっき高橋に怒られてた?」
「あー、うん。あいつまじうざったいわ。おまけにピアスのことも言ってたし。」
「え?結衣ピアス開けたの?まじ?」
「うん。開けたー。まだ1個だけど。」
「結衣ってまじ問題児ー。」
そう言って綾香はからかうように笑った。
「いーじゃんー。それに全然痛くなかったしねっ。」
嘘。
痛かったよ。
「まじかーい。いいなー。うちも開けよっかな。」
「そうだよ。綾香も開けなー。」
「あー、問題児結衣がうちを悪の道にひきずっておりまーす。」
「綾香が勝手に悪くなってんでしょー。」
綾香が笑いながら軽く睨む。
「おーい。野村いるかー!」
また高橋だ。
「いるけど?今度わ何?」
少し怒鳴り気味のあたしに高橋の顔は微妙に引き攣ってた。
「ちょっと指導室にきなさい。」
「は?」
「いいから!」
あたしは渋々教室をでた。
「待って、結衣!うちも行く。」
って綾香はあたしの腕をつかんだ。
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