イヴ
あの事故は鮮明に覚えている。




毎日それが断片的に夢の中に現れてオレを苦しめる。




できることなら、あの日に戻ってやりなおしたい。




あいつが死んでからオレは抜け殻となってしまった。




会社も行かずに、毎日家にひきこもっていた。




あいつとオレのツーショット写真を飽きることなく眺めていた。




それだけで満足だった。




こういう場合悲しみに打ちひしがれ、死を選択する人もいるのだろう。




だが、不思議と死ぬことは考えなかった。




親父とおふくろの励ましがあったからだ。
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