パパとママだけのヒミツのお話



そう言って差し出したのは小さな箱。


「?」

それが何なのかイマイチ理解が出来ない。


「まだわかんねぇのかよ」


はぁと大きくため息をついて
その箱についていたピンクのリボンを取る。


急に何を思ったのか


「あ、あたし宿題思い出したわ」


花があたし達のやり取りを見て
ソファーから立ち上がりリビングを出て行った。


・・花まで一体どうしたのよ


そうこう考えてるうちに


「お前まさか今日が何の日か忘れたわけじゃあねぇよな」


目の前には少し不機嫌な顔をして立っている旦那さま・・


「え~と・・今日は」

想の誕生日でもなければ

あたしや花の誕生日でもないし・・


「呆れた」

「そんな事言ったん!!」

最後まで言わせてくれないのは

あたしの唇が想の唇で塞がれているから。


さっきまで怒っていたはずなのに。

イライラがなくなっていくのが分かる。


甘い甘い蕩けるキスは

いつだってあたしをドキドキさせる。


夫婦になって暫く経つのに。


このドキドキは一体いつまで続くんだろう。


そんな時に感じた左手の違和感・・


「今日何の日か思い出した?」


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