彼女はまるで風のようで

彼女は意外に

名前は一色風香(いっしき ふうか)こう言ったら失礼だが、四文字熟語みたいだ。





「傘、どうですか?」





このへんぴな問い掛けに彼女は少し笑いながら答えた。





「ありがとう。でもあたしは大丈夫だから。それにほら、もう直にあがるよ。」





すると、不思議なことに雨が小降りになりやがてやんでしまったのだ。





「本当だ。なんでわかるの?」





彼女は僕の驚いた顔をまじまじと見つめながらこう答えた。





「雨女だから。」





彼女はそう言うと、自分で言ったことに自分でウケているのか口を手で押さえ笑っていた。
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