彼女はまるで風のようで
第4章 「嵐」

悲しみと憎しみ

「そしてその当時、浅野三千子は職場で知り合った男と不倫していた。もちろんその学校では職場恋愛は一切禁止。
しかし、誰にもバレずに不倫は順調…だった。」





「母が…不倫?」





気が付くと、涙が頬を濡らしていた。





家を出ていく母を見送っていたときの、父さんの悲しげな表情。





母からの電話を楽しみに、慣れない家事に奮闘していた姿。





それを母は…。





「嘘だと言ってあげたい。でもこれが現実なの。」





次に差し出された写真には、母が見知らぬ男性とホテルに入ってゆく姿が写し出されていた。
< 37 / 50 >

この作品をシェア

pagetop