彼女はまるで風のようで

殺意の芽生え

「そして浅野三千子が犯した最大の罪、殺人に至るまでの経緯を話すわ。」





今までよりもいっそう険しい表情だ。





「要はいじめを受けるようになってからも、家では楽しく学校に通ってる風に装ってた。でもいじめは日が経つごとにエスカレートしていった。そしてたまらなくなった要は、担任である浅野三千子に相談したの。」





「それで母はどうしたの?」





聞かなくてもわかるような気がしたが、一応尋ねてみる。





「ほっとけばそのうちなくなるわよ。あなたもあなたよ、男ならガツンと言ってやりなさい。って、その言葉を聞いて要は…」





フウカは唇を噛み、涙をこらえながら続ける。
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