エンドレスラブ




「…な、…かな、若菜!」


「!!あ、ハイ!!」


成美さんの一声で現実に戻った。

呼ばれた私のハイの声は見事に裏返り、
恥ずかしさで全身真っ赤になる。


人の声が聞こえないほど妄想したのは初めてだ。



「だから、ちゃんと質問に答えなさいよ?」


「……え?…何がですか。」


「もー…どーりで大人しいと思ったらさっきの話聞いてなかったの?
インタビューよ、インタビュー!」


大きな溜息とちょっと怒りを含んだ声色と共に紡がれたその言葉に私は目を丸くする。



い、いんたびゅーって…!


「私、世間には非公開にしてって…」


「違う違う!若菜のことじゃなくてエンドレスラブについてのインタビューよ。
しかも質問に答えるのは映画の監督さんよ?」



『本当に何も聞いていなかったのね』

そうブツブツと独り言をつぶやきながら運転をする成美さんを余所に、


私は成美さんが今まで言ったことを頭の中で整理する。



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