男前な彼女
詩織が持っているバッグからごぞごぞと、何枚も重なった紙を出す。
「はい!ちゃんと新作も持ってきたよぉ!」
どうやら、詩織の作品だったらしい。
あまり、見たくはない気がするが一応、題名を…
『青い糸』
……なんでやねんっ!!
なんで青いねん!
赤にしてくれ!
思わずツッコミたくなるあたしの気持ちを、分かってもらえるだろうか!
「あのぉ~……詩織ぃ…これ『赤い糸』ではないの……?」
もしかしたら、間違えちゃったのかもしれないしね!
はははっ!
「『青い糸』だよ?」
詩織はあたしの淡い期待をまんまとズタズタにした。
そうですよね。
詩織さんはそういう人でした…
ええ……
申し訳ございませんでした…