男前な彼女




そんなことよりも、おたしも上牧に聞きたいことがあった。








「あんた、なんで泣いてたの…?」






静かにコーヒーをすする上牧に疑問を投げ掛ける。




あたしがいなくて寂しかった?


クリスマスに独りだったことが悲しかったのか?




だけど、そんなことで上牧が泣くなんて、あたしには考えられなかった。



いろいろ考えたけど、やっぱり結論は出なくて。




男としては、あまり触れてほしくないところかもしれないが、


でも、これだけははっきり聞いておきたかった。



いつも偉そうな上牧が泣くなんて、よっぽどのことだと思うから。





















「独りだったんだ」






上牧は、ただどこかを見つめて、低く呟いた。













< 258 / 412 >

この作品をシェア

pagetop