男前な彼女




あたしもリビングに戻る。




「…ひっ!」





ドアを開けて目に入った光景は、あまりに刺激的なものだった。




――な、なななな……


なんですとーーーー!!






「…………」


「…んっ……ぁ」




お父さんとお母さんがキスしていた。




――いや、夫婦だから別に変じゃないんだけど…


普通、子供の目につく所でするか…?




――っていうか、恥ずかしい!!






「お出迎えもなしなんて、寂しいじゃないか」


「や……ちょっ、だめ…こ、んなところ…で…」


「そう?だったら、寝室にでもいくかい?…でも、我慢できそうにないな」




お父さんがお母さんを抱くようにしてキスしてる。




お父さんの足下にはバッグ。


まともにバッグも置かず、真っ先にお母さんの所に行ったらしい。





――ホントに…この二人って……




なんというか、いつまでもラブラブというか…


ある意味 理想の夫婦だ。






そんなことを考えていると、後ろから目隠しをされた。




「子供には目の毒だよね」




海兄ちゃんの声がする。


どうやらこの手は海兄ちゃんのものらしい。













< 290 / 412 >

この作品をシェア

pagetop