男前な彼女
朝陽兄ちゃんは顔を赤くして、頭を掻いている。
「さぁ…どうだろう…」
――え?…えぇっ?
なんで!?
絶対「そんな予定あるわけないだろぉ!」って泣きついてくると思ってたのに!
この反応は確実に、貰う予定がある感じだ。
あっちもこっちも、いつの間に彼氏やら彼女やらが出来たの?
というか、朝陽兄ちゃんは彼女が出来たのだろうか?
――なんか…ちょっと寂しいかも……
くっついてきてた時は、ちょっとだけ鬱陶しいと思ってたけど、それがなくなると、少しだけ…
本当に少しだけ…
――朝陽兄ちゃんが遠くなったような……
人って、いつまでも同じじゃないんだ。
分かってたことだけど、現実に起こると頭がついていかない。
朝陽兄ちゃんだけは変わらないと思ってたから、尚更。
あたしがチョコレートをあげる必要もないのかもしれない、とそう思ったとき…
少しだけ、悲しくなった――