男前な彼女




--ガサガサッ!




「っ!?」




突然の物音に、体がはねる。




――や、ヤバイんじゃないか?これ……





それでもあたしは、リビングに入る。




――大和、今助けてやるからな!!




そう意気込んで辺りをキョロキョロ見回すと、人影が見えた。



何が起きたわけではないが、持っているバッグを咄嗟に盾にする。



目を凝らして必死に人影を見る。


どうやら向こうはあたしに気付いていないようだ。



誰だろう…?


大和?


それとも殺人犯?


泥棒?


何をしているの…?




不安で心臓をドキドキいわせながら、人影に近付く。





--ガタン




――しまった……っ!!




近くにあった何かにぶつかってしまったようだ。


辺りが暗くてよく見えないせいだ。




人影がぴくっと動く。


あたしに気付いたみたいだ。









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