男前な彼女
「やっぱ似合ってんなぁ…お前」
「何言ってんの?あんたの方が似合ってんじゃん……」
あたしは少し俯く。
なんだか、こいつを見ると自信なくなる……
どんなにキャーキャー言われたって、結局のところ、あたしは女な訳だし…
男の上牧に執事姿が負けてしまうのは当然のことなのかもしれないけど……
「まぁ、そりゃこの俺だからなぁ……当然だろ?」
顎を少し上げ、自信ありげにそう言う。
あぁ……こういうやつだったな…こいつ。
あたしがちょっと不安そうな顔になると、上牧は呆れたような表情になり耳元で囁く。
「お前も、俺に負けないくらい似合ってるよ」
「なっ!!」
あたしは耳を手で押さえて赤面する。
「真剣勝負だからなぁ~~~!!」
上牧は、そう言いながら自分のクラスに戻っていった。
びっ……びっくりした…
あんなことをされるなんて、初めてで…
ったく、無駄にドキドキさせるなよ……