男前な彼女
「か…かん…まきっ……やめ……っ」
唇が離れた一瞬に声を出したが、その願いは届かなかった。
時間がたてばたつほど激しくなる。
「かわいい…よ…咲夜…………」
どさくさに紛れて名前で呼んでんじゃねーよ……
上牧の唇が首筋に移動する。
「上牧……やめ……ろって!……こんなとこで……」
「……ここじゃなきゃいいの?」
「そう……じゃなくて……」
「暗くて、誰にも見えねーよ」
上牧の右手があたしの執事服のネクタイにかかる。
ムカつくくらい、手際がいい。