ウソ★スキ
「えーっ。私、美夕たちと行って、美夕と先輩が仲良くしてるとこが見たいのに!」

キラの声が大きくなって、

「キラ、うるさい」

ってソラが隣からキラをたしなめた。


だけど、そんなソラの視線は、窓の外の景色に向けられたままだった。


「あ、もしかしてソラ、美夕たちのことばかり話しててスネちゃったの?」

キラがいたずらっぽい目をしてソラの顔を覗き込む。

「そんなんじゃねーよ」

「だって、家じゃさんざん2人きりなんだし、たまにはみんなで遊びたくない? もーう、ソラはヤキモチやきなんだからっ」

「だから、そんなんじゃねーって……」

「大丈夫だよ、あたし、ソラのこと一番大事に考えてるから!」



なんだか最近のキラは、周りを気にせず大っぴらにこういうことを話すようになって、


聞いてるあたしのほうがヒヤヒヤしてしまうよ……。




< 211 / 667 >

この作品をシェア

pagetop