ウソ★スキ
バスルームから出ると、あたしは大きなため息をつきながらベッドの縁に腰かけた。

広くて静かな部屋。

何もすることがなくてテレビをつけてみたけれど、テレビから流れるコマーシャルの音はあまりにも煩わしくて。

あたしはチャンネルを変えることもせずに、すぐに電源を切ってしまった。



喉がカラカラだった。

水を飲みにキッチンに下りよう……。



あたしは静かに自分の部屋を出た。




キラたちの部屋の前を通ると、中からシャワーの音が聞こえてくる。


シャワーを使っているのはキラ? 
それともソラ?


……なんでだろう。

扉の向こうの2人のことを想像しただけで吐き気がして、あたしは逃げるように部屋の前を通り過ぎた。


足早に。だけど音を立てないように。
静かに階段を下りる。

手に触れる階段の手すりが冷たくて気持ち良かった。




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