ウソ★スキ
そんな膠着状態がしばらく続いた後、沈黙を破ったのはあたしだった。

「ねえ、ソラ。キラから何か連絡があるかも知れないし、待ってみよう? ねっ? また、ここに戻ってきた時にソラがいなかったら、キラ、困っちゃうよ?」

ソラは、あたしの顔を見上げて、
「ああ……そうだな」
って頷いてくれた。

だけど、その笑顔は引きつっていて。
とても苦しそうで。

ソラがこんなに辛そうな顔をするのを、初めて見た……。


ちょうどそのとき、ソラのズボンのポケットで携帯が鳴った。

それは1通のメールが届いたことを知らせる音だった。


送り主は、キラ。

そしてその内容は

《先に帰るから心配しないで》


それだけ──。

たった一言、それだけのメールだった──。



それから、あたしと先輩はそれぞれの部屋に戻った。

あたしは何度も何度もキラに電話をかけたけれど、キラは一度も電話に出てくれなかった。


そしてソラは、そのままリビングのソファで朝を迎えた。




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