ウソ★スキ
あたしたちは校庭をだまったまま歩いた。

キラはなんだかずっと考え事をしていて、いつもの明るいキラらしくない。


……バスを降りるまでは、いつもと変わらない様子だったのに。


そんなキラが口を開いたのは、玄関に着いたあとだった。


あたしたちはクラスも一緒だ。


なかよく並んだ靴箱に靴をしまいながら

「ねえ、美夕。お願いがあるんだけど」

そう言ったキラの声は、少しだけ震えていた。



「なに?」

「あのね……」


キラは周りをキョロキョロ見回して、誰にも聞かれていないことを確認してから、こう続けた。



「美夕、お願い! 私からソラを奪って!」



キラの目は、すごく真剣だった。 





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