【戦国恋物語】出会いは突然風のように…

「……」


わたしは無言で茶を立てはじめた。


茶芍を持つと、それは小刻みに震えていた。


わたしの手が痙攣したように震えていたのだ。


「緊張せずともよい」


男の笑いを含んだ声がした。



だったら。


そんなに見ないでほしい。



「お前の視線が気になるんだ」



何気なく言った言葉だったけれど。


盗み見た男の顔は明らかに赤らんでいて。


茶室の雰囲気は一気におかしなものになってしまった。