俺色〜ある草食系男子の日々
「おい、カズマ」
久しぶりに顔をあわせた事務所でカズマに声をかけたのは、就業時刻を少しすぎたところで、
あの事故の前まではほとんどいつも残って仕事をしてたカズマは
このところ、即行カバンに書類を詰めて帰り支度を始めてる。
それは陽菜ちゃんのところに向かうんだ、ってことは今は、周りの奴はほとんど知っている。
「カズマ」
「はい?」
「ちょっと、いいか?」
ちらっと時計をみた奴だけど、俺は構わず目で外に出るように促した。
「何ですか?」
「お前、なんて言ったんだ?」
「はい?」
「陽斗にだよ。アメリカの話」
「あぁ・・・すみません。本当は紺野さんがあいつに話をするつもりだったんだですよね」
「そのことはいいけど、陽斗見てるとなんか痛々しくて・・・」
そう言う俺を見てカズマはふっと笑った。
「なんでそんなこと思うんですか?」
は?