俺色〜ある草食系男子の日々
「紺野、俺ちょっと出てくるわ」
「ん?もしかして、シオン?」
「あぁ・・・じゃ、後よろしく!」
陽斗が出て行った後のドアが閉まる音を聞いてから俺は大きくため息をついた。
あれから2年。
陽菜ちゃんは多分まだ記憶を戻していない。
多分、というのは、情報がほとんど入ってこないからだ。
たまに、陽菜ちゃんの友達の舞、この子がメールで知らせてくれるだけ。
どうも、カズマががっちりガードしてるみたいで・・・
「どうなってんのかな・・・」
それとは別に届く会社の様子を知らせるメールも、最近とくに内容が厳しくなってきてるし。
それも・・・カズマの経営方針なんだろう。
この前来ていた、カズマの副社長就任を知らせるメール。
あいつは・・・きっとあいつも自分の「大事な人」を守るのに必死になってるんだろうな。