呪業―じゅぎょう

『残念でした～こんな事もあろうかと、君達の両親の携帯も回収させてもらいました』

｢えっ…!?｣

俊彦を含め、俺達は驚きを隠せないでいた。
携帯の持ち主である川上は口をパクパクさせ、混乱状態に陥っていた。

無理もないだろう…隠し持ってるのがバレたのだから…
もしかしたら殺されるかもしれない…
きっと川上はそんな恐怖心を抱いているだろう…


しばらくして俊彦が電話を切り、“チッ”と舌打ちをした。

｢くそっ!!あいつらマジ許さねぇ!!こんな事していいと思ってんのかよ!!おい、お前ら良く聞けよ!!俺達の両親はあいつ…いや、あいつらに監禁されてる。下手な事すれば両親の命が危ねぇ…絶対にあいつらには逆らうなよ!?｣

俊彦の言葉を聞き、

｢監禁…!?｣

と全員顔を見合わせ、騒ぎ始めた。

それを掻き消す様に俺は椅子から立ち上がり、大声で怒鳴る様に俊彦に聞いた。

｢おい!!監禁されてるってどうゆう事だよ!?何処に監禁されてんだよ!?｣

｢知るかよ｣

そう吐き捨てる様に言うと、授業の始まりのチャイムが鳴った。
色々聞きたい事があるのは皆も同じだろうけど、全員何も言わず、あいつが来るのを待っていた。